UZoneリリースに向けた歩み
UZoneリリースに向けた挑戦が始まる。
プロエンジニアやエンジニアインターンの採用を拡大し、部品データの回収、画面の開発など、リリースに向けた準備を着実に進めていった。
時には技術的な面で困難に直面することもあったが、存在しない概念を自分たちで作り上げていくことに楽しさを感じていた。
いつしか2人で取り組んでいた新規事業戦略は、社内全体を巻き込むものとなっていった。
リリースに向け一体感が生まれる社内。
そんな中、UZoneのこれからを揺るがす大きな試練が襲い掛かる。
通常業務の壁
UZone開発に躍起になっているパーツワンだが、元来は自動車部品商社である。
当然通常業務としてのお客様の問い合わせ対応も毎日あり、
そんな傍らでUZoneの開発を進めていた。
2022年6月。過去最多の問い合わせを受け、社内は混乱を極めていた。
問い合わせに対応するのは決して単純作業などではない。
いつでもプロとして最高レベルの返答をするためにも、
毎回100%の力で1つ1つの案件に取り組む。
「思考の体力を使い果たした」という言葉が社内で繰り返された。
そんな状況の中で先の見えない新規事業に時間を割くのは無謀と言えるだろうか。
しかし、パーツワンがUZoneリリースに向けた歩みを止めることは無かった。
この先に待っている人がいる。
UZoneを一日でも早くリリースして、自分たちが自動車部品業界の流通の仕組みを変える。
自分たちの目指す自動車部品業界の未来のために、妥協するという選択肢はない。
そんな思いの中心にいたのが植田である。
植田のプロ意識
プロは相手の期待以上のものを常に返さなければいけない。
どんな状況であろうとそのスタンスは変えない。
そんな思いを植田は人一倍持っていた。
プロであるために面倒事はいとわない。
社員、取引先、仕入れ業者、エンジニア。植田の周りはほとんどが年上である。
年齢や経験が上の相手の意見でも、植田は決して丸のみしない。
それはUZoneの未来のためになるのか。それだけが植田の判断基準である。
プロとして仕事をするために、簡単に同調するという選択肢は選ばない。
UZoneのミーティング準備にも決して手を抜くことはない。
どうすればより良い意見が飛び交う環境を作れるか。
どうすればよりレベルの高いサービスを作れるのか。
それだけが植田の興味である。
すべてはUZoneのリリースのために。それだけを考えていた。
思い返せば当初、植田にとってパーツワンに入社することは理想の経営者になるための手段にすぎなかった。
しかし、いつからか自分の成長よりも会社の成長、UZoneの成長を願って動いている自分がいた。
パーツワンと植田壮大郎の目指す未来へ
植田の努力もあり、UZoneは2023年6月に初期版をリリース予定という段階までこぎつけた。
リリース前ながら申し込みは2200件を超え、さらに10カ月後にはver.2のリリースも見据えている。
かといってリリースに向けた課題はまだまだ山積みである。
これからも決して楽な道ではないだろう。
しかし、UZoneは日々進化を止めない。
また、進化を止めないのはUZoneだけではない。
UZoneの成長のために動いているつもりが、植田自身も理想の経営者への階段を確実に上がっている。
インタビューの傍ら、長倉は微かに笑みを浮かべてこう語った。
「壮大郎のことを3年目社員だとは思っていません。僕にとってはビジネスパートナーです」
植田はこれからも自動車部品業界の未来のために、そして理想の経営者になるために、
理想の経営者長倉のビジネスパートナーとして歩んでいく。