「ジョーカツ生にパーツワンの熱を伝える」
パーツワンで採用イベントに出かける前の恒例の儀式だ。 採用イベントへ企業側として登壇する覚悟の確認、何のために参加しどのようなゴール設定をするのかをメンバーに伝えて私は社長である長倉とオフィスを出た。
代々木公園自慢のイチョウ並木は道路一面を黄色く染め、凍りつきそうな乾いた風が頬に当たる。
「どんな学生と出会えるのだろうか。」
長倉の言葉に熱がこもっていた。参宮橋駅から代々木体育館へ向かう多くの学生を横目に、今日のイベントで出会うジョーカツ生への期待が胸を高ぶらせる。電車を乗り継ぎ会場である神田駅へ向かう途中は
「プレゼンで何を伝えるのか」
「座談会でどんな話をするのか」
「パーツワンに対してどのような印象を抱いてもらうのか」
経営者である長倉とOne On One ミーティングができる貴重な時間だ。
“ジョーカツ”は株式会社ナイモノが運営する
「上京を志す地方就活生の就職活動を応援するサービス」です。
学生は一定の条件を満たすとジョーカツの参加切符をもらうことができ、1週間の滞在費、交通費が補助される仕組みがあり地方学生に大人気の就活支援サービスです。
「リサイクルを通じで社会の仕組みを変える」 を実現するメンバーを集めるために2018年よりジョーカツに参画しています。
ジョーカツの良いところ
首都圏の学生は自分の成長のみを考えている「自分メリット型」の学生が多いのに対して地方学生は人間味に溢れ「素直な学生」が多いのが全体的な特徴です。自分の成長だけではなく、社会へ貢献する気持ちを持っている優しさを兼ね備えた人が多いように感じます。
しかしその反面、情報感度が首都圏の学生より低いため、有名企業に入るのが是といった世間の風潮をそのまま受け入れて就職活動を行っている学生や、また上京した時に出会う首都圏の学生を見て「就活のあるべき姿はこれだ」と思ってしまい就活の正解探しに終始してしまう学生が多くいます。
なぜ地方学生は勘違いしてしまうのか。それは就職活動の捉え方を間違っているからです。これは日本独自の社会構造や現在の新卒採用もしくは就職活動自体がビジネスに大きくシフトし過ぎていることが原因と言えます。
自分がやりたいことや、将来なりたい像を考えたうえで、就職活動を行うべきですが、今の採用市場は 「企業に入社させること」 をゴールとしているため学生だけが取り残された状態と言っても良いかもしれません。
ジョーカツの良いところは「素直さ」を持った学生と多く会うことができるのが特徴です。
学生への向き合い方
パーツワンの人事として「会社ファーストではなく、生き方ファーストの就活生」を集める。そんな使命感を持って私もジョーカツに臨みます。
働く本質とは何か
働く本質とは福利厚生やきれいなオフィス、成長環境ではありません。働く本質とは、
・「何をやるのか」
・「誰とやるのか」
・「どうやるのか」
・「どうなりたいのか」 の4つです。
就活生の自己紹介や発言は上記4項目に対する考えを持っているか、発言した内容を実現するための行動を行っているかを判断します。
「リサイクルを通じて社会の仕組みを変える」
代表の長倉はジョーカツ生に対して熱を込めて話します。私自身も昨年、企業を見る側の学生として参加しましたが長倉ほど、学生一人一人に熱を込めて話す社会人はいませんでした。「熱く語れる仕事」働くことに対して様々な価値観が混在する中、シンプルで解り易く良い指標だと私は感じています。
パーツワンが目指す「社会課題の解決」は事業の成功と言えるまでの時間軸が長く、目の前の人に対して直接的に貢献する仕事と比べイメージしにくいのが特徴です。そのため、福利厚生や成長環境と言った短絡的視点でしか物事を見ていない学生は「社会課題の解決」と言った見えにくい抽象概念を話しても理解できないのが事実です。
それでもパーツワンはビジョン経営にこだわり、言葉の力や考え、目指したい社会像を理解出来るメンバー集めにこだわります。会社と言う多数の価値観を持ったメンバーをまとめながら経営を行うことは、意思疎通や相互理解の質が自社の強みを生み出し、お客様から迷うことなく選ばれる「違いを生み出すことのできる会社」へ繋がります。
「人材成長が最良の経営戦略」
もう何度もこの言葉を聞き続けました。2020年4月から正式にパーツワンへ入社する自分は未だこの言葉の意味を深く理解しているとは言えない。しかし、パーツワンのメンバーと話をした時、明らかに他社との違いを感じることができるのが嬉しい。そして私も早く違いを生み出すことのできる人になりたいと思います。
日本は人口減少と言う社会問題が明らかになりつつありますが世界に目を向けると人口は増加し続けています。20世紀型の経済活動つまり、大量生産・大量消費・大量廃棄を優先するあまり地球環境の問題、気候変動や大きな格差社会など新しい課題に直面しています。このまま20世紀型の経済活動を続けることは自らが住みにくい社会を作り出すことに繋がっていると言えます。
ジョーカツのイベントでは長期的な視点から、なぜこの事業が必要なのか?を何度も語り続けます。学生の99.9%は幼少期から成長と共に消費者視点を持たされています。解り易い言葉を使えば「自分にとってお得かどうか」の視点だけを持っていると言えます。「社会課題の解決」は過去ではなく未来を変えるための仕事です。「自分がお得かどうか」ではなく「これからの社会がどのように変化するのか」と言う
「仕掛ける側の目線」が必要です。
「何をしている会社なのか」
「どうやるのか」
「誰とやるのか」
上記3点に絞って企業プレゼンや座談会では話をします。
なぜか?これがビジネスの本質だからです。
「会社の知名度」「福利厚生」「成長環境」「社員の仲の良さ」学生の反応の良さを優先して話をすることもできますが、これは会社を知ってもらうサブ的要素であり本質ではありません。パーツワンは本質を理解出るメンバーを探しています。そのためパーツワンで導入している業界最先端のITツールや、データマーケティング、AIシステムなど学生のリアクションが期待できそうな社内インフラについて積極的に説明会で話すことはしません。
「パーツワン全部見せます」
ジョーカツでマッチングした学生は「パーツワン全部見せます」と言うイベントへ招待します。パーツワンのメンバーが「なぜパーツワンに入社したのか」、「パーツワンで働き続ける理由は何か」をプレゼン形式で学生に伝えます。メンバー全員のプレゼンを通じて、どんな価値観を持っている人がいるのかを知ってもらいます。パーツワンのメンバーは個性的で多種多様な価値観を持った人がいます。各々が入社した理由は違いますが、同じ船に乗り、皆が本気で一つの方向に向かって船を漕いでいます。学生からは「ワンピースのようだ」と言われることもあります。
と長倉はジョーカツ生に聞きます。会社を自分から選ぶという意思「逆選考」を持っている就活生は上記でも述べたとおり、就職活動を手段にしています。
※成長とは目的を果たすための目標をクリアするためのプロセスに過ぎず、目標に設定することは大きな勘違いである。
パーツワンは学生のどこを見ているのか
まず学生を分けると
1.社会適応能力が高く、社会に出てさらに伸びる学生
2.まだ社会適応能力は低いが、社会に出たら伸びそうな学生
3.すでに社会適応能力はある一定レベルに到達しているが、社会に出ても伸びない学生
4.社会適応能力が低く、社会に出ても伸びない学生
上記の4象限に分かれます。パーツワンは①と②の学生を採用したいと考えています。
「社会に出たら伸びる学生」とはどんな要素を持っているでしょうか。それは人間性です。人間性とは何か?具体的に因数分解してみると、
誠実さ、素直さ、感謝する気持ちを持っている、他人への思いやりがある、自分の意見を持っているなどが挙げられます。さらに深堀してみましょう。例えば素直さとは何か?安易に他人の意見を聞き入れることではありません。自分の意見を持ちながら他人の意見を自分の中に取り込み自分の思考力の一部として融合を計ることができる人。また課せられたタスクに対して「できること」「できないこと」を正確に話すことができる人を指します。「できないこと」を正確に話すのは日本人の多くができません。ビジネスの場では「理解した振り」「安易な協調」や「中身の伴わないパフォーマンス」「考えを持たない人」は不要です。
では仕事の面白さはどこにあるのか?
「自分の考えをアウトプットする」「できなかったことに対してできるよう努力し成果を得る」「他人から自分の存在を認められ必要とされる」「自分が提供したサービスやプロダクトをユーザーが喜んでくれる」「自分の成果が会社に貢献していることが解る」などが挙げられます。これらに共通することは自分から能動的に働きかけた結果、自分に返って来ると言うことです。
サマーインターンの経験や、アルバイトの経験、サークルの代表をやっていた実績を自己紹介で話をしても参考になりません。重要なのは実績ではなく考えです。自己紹介をする時点で実績は過去に経験した事象の一つに過ぎません。サマーインターンの経験を通して何を学びどんな考えに至ったのか、課題が見つかったのならば、どんな行動をするようになったのかを知りたいのです。考えは普遍的なものでありパーツワンと言うチームに加わった時にどのようなパフォーマンスを発揮できるか、どのような融合ができるかを予測することができます。パーツワンは考えに基づいた行動ができる人を個性溢れる人材としてベンチマークします。
ジョーカツのイベントで見る点はどこか
・話の聴き方と姿勢はどうか
・意志ある言葉を使っているか
・他人に理解してもらうために話しているか
まずは話の聞き方や座り方、表情を見ています。やはり他人目線で物事を見ることができる人は話を聞いている時にメモをとったり頷いたりなどアクティブリスニングができています。座り方も背筋を伸ばして前のめり。表情も相手の話に合わせて変えます。当たり前のことかもしれませんが、それができていない学生が多いです。こういった要素は細かいでですが人間性を表す重要なパラメーターだと考えています。上記の点を総合的に判断すると性格が前向きかなども分かります。
次に「意志ある言葉を使っているか」。
ジョーカツでは学生が自己紹介を30秒で行う時間があります。まず全体像の中で自己紹介と言うコンテンツをどう捉えているのかが重要です。そこを考えられている学生は仕事においても、「全体像の中で今の仕事は何が求められているのか」を意識して仕事ができます。 (パーツワンでは「木を見るのではなく森を見て木を見る」と呼んでいます。) 自己紹介を「他者と最も比較がしやすく自分をプレゼンする場」と捉えることができるなら、自己紹介の準備は十分と言えるでしょう。
また内容に関しては
1. ネット上や世間一般的な就活用語を使っているのかどうか
2. アイデンティティがある考えに基づいた言葉を使っているか
3.アウトプット全般の節々まで気を配っているのかです。
ネット上で拾った言葉を使っている人は、考える癖がないため思考力が低く、人間性も表面的であることがほとんどです。自分をイケてる就活生に見せるのではなく、ありのままの自分を見せること。その方が言葉に熱が乗り、真剣さが伝わってきます。
なぜこの基準があるかと言うと
「人間として他者に対する思いやりの気持ちがあるかどうか」
「相手に理解してもらうため構造的に話すことができるか」の思考力を見極めるためです。
パーツワンの選考インターンでは感想文を提出していただきます。感想文は「読む人を意識して書いているか」が顕著に出ます。他人に理解してもらおうと思わずに、自分の世界のみで書く人は、他者視点が無く他人に対する思いやりが欠如している場合があります。そういった愛情がない人間は、チームに対してもお客さんに対しても愛情を持って接することができません。また今時の短縮用語やカタカナ語を多く話す人がいます。(意味を理解せずに使用する場合)賢く目に映るかもしれませんが、他者視点が欠如しています。他人に説明を理解してもらう話し方をするためには、何に気を付ければ良いのかを考える必要があります。
新しい社会サーキュラー・エコノミーを実現するために
IT化をはじめとして、時代の流れは大きく変わりました。私たちは、今までのスタンダードを踏襲するのではなく、新しいスタンダードの創造に挑みます。全国、やがては世界を視野に入れながら、自社独自のマーケティング、CRM(カスタマー・リレーション・マネジメント)、IT技術を活用し、業界全体に新しいリサイクルの仕組みを確立します。
日本国内のリサイクルの仕組みを確立し、それを日本の誇る「もったいない文化」として海外に発信していきます。私たちと一緒に、日本を、そして世界を引っ張り、サーキュラー・エコノミーを実現しませんか?
株式会社パーツワン
社会課題解決をテーマにしたビジネスを展開しているベンチャー企業。多くのインターン生や若手育成に力を入れデジタルトランスフォーメーションに挑む。現在取り組んでいる新卒採用メンバーを将来の事業マネージャーへ育成する予定。日本の廃棄される自動車に着目し無駄を富に変えるビジネスモデル(サーキュラー・エコノミー)構築を目指す。廃棄される自動車の問題は世界中で課題となっており、日本のモデルや技術は一つの答えとなっている。グリーンエコノミー分野は次世代で必要とされる注目の分野。
2020年1月~3月に選考インターン「Ignite」を開催します。
STEP1.「会社説明会」もしくは「パーツワン全部見せます」に参加していること。
STEP2. エントリーシートの提出
STEP3.「Ignite」エントリー受付完了。「Ignite」は3日間連続のプログラムです。選考インターン「Ignite」最終日に課題プレゼンがあります。
ライター紹介 植田壮大郎(うえだ そうたろう)
大阪大学経済学部2020年卒業予定。